司法書士報酬は高い?
ときどき、「以前司法書士に頼んだら、ものすごく高い(報酬)金額を請求された」という声を耳にします。他の司法書士から請求された金額について「妥当かどうか」と質問をいただくこともあります。
中には「わあ、本当に高いな」とか逆に「びっくりするほど安いな」と思うものもありますが、割と「まあ、妥当な金額かな」と納得する金額であることが多いです。
よくあるのは、「登録免許税が高くて、それを司法書士報酬と勘違いしている」場合です。
登記には「登録免許税」という税金がかかります。売買の場合、不動産の固定資産評価額の2.0%(特例措置・軽減措置あり)ですから、単純に評価額が1000万円の不動産であれば、20万円かかります。結構な金額です。
また、「司法書士」の仕事が一般の方には馴染みがないので、不動産を買ったら取引の日に急に表れて費用を請求されたりして(実はそれまでにも打ち合わせや調査等行っているのですが)、何となく納得がいかない金額に思えることも多いようです。「不動産仲介手数料」「住宅ローン費用」がかかることは覚悟していたけれど、それ以上に「登録免許税」や「司法書士の費用」がかかるとは、家を買う前には想像していなかったという方は、予想外の出費に憤然たる思いを抱くかもしれません。
司法書士報酬は事務所によって報酬算定の方法が異なりますし、登記の内容によっても大きく費用が異なります。
「高い」「安い」の判断は、難しいところもあります。
一般に物を買うとき、例えば「靴」を買うとしましょう。量販店で買った靴は見た目はちょっと安っぽいけれど、2,980円。でも、履き心地も悪くないし、お買い得だったということもあるでしょう。自分の足にぴったり合った長持ちする靴が欲しくて、オーダーメードで靴を作ってもらったら、10万円以上もした、という場合もあるでしょう。
一般に既製品はオーダーメードよりは安いですよね。
司法書士の仕事は、1件1件内容が異なります。登記であれば不動産の内容、管轄法務局の場所、必要な登記の種類など、実に様々です。どちらかというと「オーダーメイド」に近くて、「既製品」のようにお安くはできないかもしれません。
加えて、少なからず専門性と責任のある仕事でると、自負もしております。司法書士になるための道は、私にとっては決して平易なものではありませんでしたから…。
ですので、個人的には、司法書士報酬は「安かろう、良かろう」ではないと思っています。ご依頼主の話を丁寧に聞いて、真摯に対応する責任が、司法書士にはあると思っています。
とはいえ、「利益至上主義」になってもいけません。司法書士は、法律上の「商売人」には該当しない、つまりもっぱら利益追求するようではいけない、というのが私の考えです。「少しは社会の役に立ちたい」という想いを、司法書士は抱いているべきなのです。
などと、つらつら考えながら、今までの(司法書士補助者としての)経験も踏まえて、当事務所の料金を設定致しました。ただ、先にも申しましたように、司法書士の業務は、1件1件内容が異なりますから、「定価」を設定することは難しいです。
他の事務所には他の事務所の方針や、考えがあると思います。
司法書士を選ぶとき、報酬が気になるようでしたら、とにかくいろいろな司法書士事務所のホームページを見たり、知り合いに話を聞いたりして、比較検討していただければよいかと思います。そして「見積り無料」であれば、「見積り」を作成してもらい、事前に費用について十分納得した上で、司法書士を選定し、依頼することをお勧めいたします。
その際には、当事務所も比較検討のひとつに入れていただけましたら、幸いです。